3ヶ月が経過し、1年が終わる。


今日で12月も終わり。アメリカに来てからちょうど3ヶ月が経つことになる。ここまでを振り返るにはいい機会かな。大晦日だし。


研究面は、進んだような、進んでいないような。


進んだことの1つめは、編著者として関わっていて、3月に出版される予定の書籍については、なんとかメドがついた。原稿を大量に書かなければならなかったし*1、編集者としても他の著者のみなさんに「とりたて」を行う必要があった。知っている人は知っている通り、僕はなかなかエンジンがかからないタチで、いわゆる遅筆。そんな僕が「とりたて」を行う必要があったわけだから、その自己嫌悪たるや推して知るべし。それでもなんとか乗り越えられたのは、小生とともに編集を担当くださっているK先生の励ましと、僕からの無茶振りへの著者の各先生方の対応能力の高さ。本当に周りに助けていただきまくってなんとかメドをつけることができたという感じ。年明け早々にはゲラ校正を行って、年度内の刊行をなんとか死守したい。また、本件を通じて、僕もまだまだ未熟というか、気ぃ遣いぃというか、ビビりであることを再確認してしまった。割り切るべきところを割り切れるようになると、楽なんだろうなぁ、と。本当にその判断でよかったのか、2ヶ月が経つ今でもいろいろと考える日々。


進んだことの2つめは、SDSUの授業に参加するという形での調査がそれなりにできた。のべ23クラスに参加し、また教授陣といろいろな会話をする中で、アメリカにおける広告や広報の教育がどのように実施されているのか、相当に「掴めた」という感じがしている。スポンサーであるBey-Lingはもちろんのこと、多くの先生方のご協力なしには実現しえなかったことであり、感謝してもしきれない。今のところは1つの大学(SDSU)に限られた例であるとはいえ、これまでも2012年9月にオクラホマ大学*2 *3、2016年2月にミシガン州立大学をそれぞれ見学しているので、他の事例を知らないわけでもない。これまでに「掴んだ」内容については、某誌で連載のような形で日本に紹介をするという予定になっている。2017年も、SDSUでの授業見学を継続するとともに、フロリダ大学*4やその他の大学にも授業見学に赴ければと考えている。また、これも各先生のご理解のもと、毎月の教授会にもオブザーバー参加している。こちらもいろいろと学ぶところが大きい。


進んだことの3つめは、3月のIPRRCの報告を申し込み、アクセプトされた。申し込んだのは2つで、そのうちの1つが採択された*5。3月の上旬は、というわけで、フロリダはオーランドにいます。ただし、ネズミの国に行っている暇はさすがになさそう。NBAの試合くらいは見に行けるといいんだけどなぁ*6。ICAは来年はサンディエゴ開催だけれども、結局出せず。英語のフルペーパーを出すには準備期間が短すぎた。


進んだことの4つめは、スポーツ観戦を通じて、スポーツ方面の研究についてもあれこれと考えることができた。アメリカンフットボールは、Aztecsの試合が3試合、Chargersの試合が2試合、Bowl Gameが1試合。バスケットボールは、Aztecsの男子・女子をそれぞれ1回ずつ、これまで観戦できている。それ以外に、わりと頻繁に、テレビのスポーツ番組は見ている。ここ数年、科研費の分担者という形で、トップ・アスリートのセカンド・キャリアについて議論を重ねている。そこにいくらかの知見をもたらすような経験(の基礎)は、できたように思える。また、チア・リーディングやマーチングの存在の大きさがわかったとともに、特にチアについては、その組織論的な考察をどこかのタイミングでぜひともやってみたいと思っている*7


逆に進んでいないことの1つめは、元々この時期にやりたいと思っていた、じっくり書籍や論文を読むということ。論文は、必要もあって、日本にいるときよりは読んではいるものの、とはいえ当初予定していたペースからは程遠い。書籍に至っては、年内に読んでおきたかった『Organization in Action』が手つかず。これはずっと手つかずというわけにはいかないので、どこかでじっくり時間をとらないといけない。それに、春をメドにレビュー論文を1本書こうと思っているので、関係する論文はそれまでにいくつか精読しなければ。


進んでいないことの2つめは、論文を書くこと。年内に2本くらいはメドをつけようと思っていたけれども、なかなかどうしてうまくいかず。10月が終わった段階で少し燃え尽きてしまったことと、11月以降の授業見学(の準備)が予想以上に時間がかかったことが表向きの敗因。実際は、要するに、エンジンがかからなかったということだろうと思う。馬力は悪くないはずなので、いいかげんエンジンを必要なタイミングでかける術を身につけないと。


進んでいないことの3つめは、僕の専門性こそが活きる分野について、なんらのコメントも出せていないこと。広告や広報をフィールドにしていて、経営戦略論や組織論や組織間関係論を理論のバックボーンに置いている人間として。これについては、日をあらためて、ゆっくり書くかな。


進んでいないことの4つめは、こちらに在住の日本人とのネットワークづくり。とてもじゃないけれどもそんな余裕がなかった、という感じ。これは年が明けたらゆるゆるやっていきますかねぇ。


学務というか、教育というかも、まったくなにもしていないわけではなく、少しは。シラバス作成に手をつけはじめているのと、なにより、skypeを活用してのゼミ面接の実施。初日が約6時間、2日目が(合否を決める会議も含め)約9時間。受験してくれた学生も面接官を担当したうちのゼミ生もがんばったけれども、僕も、太平洋地底ケーブルも、がんばった。


プライベートでは、まぁ、いろいろと。お客様は計4組をお迎えした。「狙って」か「ついで」かを問わず、訪ねてきてくださるというのは本当に有り難い話。妻は英語の勉強に忙しく、それが一段落ついてからは今度は車の運転練習に忙しい*8。たぶん、僕より忙しい。ジムには、今月に入ってから、3回行ったかな。3回しか行ってないからそれが理由というわけではないけれども、昨日ご一緒したI女史には第一声で「痩せましたね」と言われるなど。自覚はそれほどない。外食のペースが減るだけでこうなるのかね、という感じ。観光にはそんなに行けていないけれども、とはいえ、Balboa Parkには2回行っているし、Seaport VillageやOld Town、昨日はLa Jollaにも行っている。動物園とSea Worldとコロナドとビーチはこれから。サンディエゴから外に出るという意味での観光もこれから*9。アイロンは結局年を越してしまったけど、近々トライする予定。ブログは……どうしますかね。なかなか時間がないというか、書く気分にならないというか。時間ができたときにでも気楽に埋めていきますかね。ネタ自体はないわけでもないので。


まぁ、総体的には、元気に楽しくやってはおります。はい。


本年も多くの方に大変にお世話になりました。誠にありがとうございます。来年もみなさまどうぞよろしくお願いいたします。どうぞ佳い年をお迎えくださいませ……って、これを読んでいる人は、もう、迎えているんだよな(苦笑)。

今日はこんな日。
  • Ralphで買いもの(妻の運転)。
  • ミニ大掃除。
  • タイムライン上は「あけおめ」だけれどもこちらはまだ大晦日というギャップ。
  • CNNのカウントダウン特番。
  • カレッジ・フットボールの準決勝は見られず……。再放送を見ますかね。
今日のごはん。
  • 朝:家=ウインナー、たまご、トマトスープ、パン
  • 夜:家=鶏胸肉オーブン焼き

*1:もちろんこれまで書いてなかったツケがまわっただけ。

*2:このときにお世話になったのが、Katerinaであり、故Owen Klemekaである。

*3:この年の3月には、授業見学等はしていないけれども、ボストン大学についての話も聞きにいった。

*4:3月にRitaのお世話になります。

*5:落選した方は8月のAEJMCに持ち込みたい。

*6:Katerinaに逢いに行くついでにWestbrookを見るというのが、本当は、したい。LeBronやCurryよりもWestbrook。ただ、オクラホマは他になにかがあるわけでもなので、なかなか踏ん切りがつかない。

*7:日本に研究協力者(Y女史)がいるので、本当に実現させたい。

*8:そして、1月の中旬からはまた英語で忙しくなる予定。

*9:調査で遠出するときにうまく時間を使いたい。

1ヶ月が経った。


今日で10月も終わり。在外研究もまるまる1ヶ月が経ち、明日からは2ヶ月目に突入する。せっかくなので少しだけ振り返るかな。


前半は、まぁ、生活の立ち上げで全てが終わった感じ。1週間くらいでメドが立てくれるかなと思ってたんやけど、なんのなんの。ベッドやダイニングテーブルといった大きい家具類は必要なことがすぐにわかるのでわりに早めに揃いはしたけれども、細かいものはなんだかんだで今でも足りていないものがあるくらい。1ヶ月なしで済ましたんやからこのままでもいけるけれども、できればストレスなく暮らしたいところ。あとは、日々の買い物。妻が日本では毎日仕事帰りにその日の食材を買いに行くような人だったので、まとめ買いという発想や、車を出して買いに行くという発想に、夫婦ともども慣れるのに苦労した感じ。ガロンの水を買い出したのもつい最近だし。


後半は、妻はALIという大学の附置期間の語学学校?に通い出し、僕は僕で月末にどうしてもあげないといけない大量の原稿と格闘する日々。ただ、妻が大学に行っている間と寝てからは、それなりに集中して仕事を進めることができているように思う。妻が予習復習している前でも仕事してるけど。有り難いのは、眠いときに昼寝ができること。これだけでも生産性がだいぶ違うと思う。おかげさまで原稿はだいぶメドが見えてきたし、同時並行で進めていたこちらでの研究プロジェクトの仕込みも今のところは順調にいっている。11月は、もう少し研究プロジェクトの方に軸足を移せるかな*1


サンディエゴ探検はそれほどできず。とはいえ、シーポートビレッジには行ったし、バルボア・パークにも行けた。バルボア・パークは、博物館や美術館がたくさんあるので、2週間に1回くらいは通いたいなぁ。休日ではなく平日に行けば空いてるだろうし。食事面では、スポーツバー、メキシカン、アメリカンチャイニーズ、ステーキ、日本食と一通り。IKEAランチがめっけもんかな。大学アメフトを観戦できたのもよかったな。11月は大学バスケ、大学アメフト、そしてNFLにも行きたいなぁ。まぁ、それなりに、楽しんでもおります。


全体的に見ると、予想以上に順調。久しぶりに教育や学務を離れて研究に専念すると、「こんなに自分って研究したかったんだな。そして、案外その能力もあったんだな」ということに気づく。ということは、如何に今まで教育や学務もがんばっていたかということ。そのこと自体は悪くないし、帰国してからもがんばりたいけど、だからこそこの在外研究を実り多いものにしないとな、という気になっている。この1ヶ月が早く感じたので、余計に。


11月は後半にお客様が1組*2、12月は後半にお客様が2組、それぞれ小生を訪ねに?来てくださるとのこと。2ヶ月目も楽しもう♪

今日はこんな日。
  • 原稿書き
  • 某Kさんがサンディエゴに来るという事実を把握
  • amazonで困ったものを発見
今日のごはん。
  • 朝:家=カレー
  • 昼:家=冷凍きのこラビオリ
  • 夜:家=豚しょうが焼

*1:軸足を移せる、ということは、日本から連れてきた原稿の締切はまだまだあるということで(大汗)。

*2:本当はあと2組あるはずだったんだけど、いろいろな理由で、中止や延期に。残念。

在外研究ならでは。


妻は、明日から大学の生涯学習センターでの授業が始まるため、早めに就寝。僕もいよいよ明日からは本格的に研究関係の仕事に取り組めるので、その下準備。その中でたまたま「読んでおこうか」と思った論稿にすっかり心を奪われてしまい、僕も早めに寝るつもりだったのがいつの間にか28:30(苦笑)。


それはなんの論稿かというと、公益財団法人吉田秀雄記念事業財団の研究広報誌である『アド・スタディーズ』に関西大学の水野由多加先生が投稿された「幸せのために「広告に求められること」とは」というタイトルの文章(pdfファイルはこちらから入手できます)*1。肩の力の抜けた平易な文章ではあるが、なんというか、心を揺さぶれた。


水野先生とは昨年上梓した『広告コミュニケーション研究ハンドブック』で編集をご一緒させていただいた。先々代の日本広告学会関西部会運営委員長であり*2、現在は同学会の副会長。昨年はサバティカルに出ておられた先生のゼミを僕が担当するなど、因縁浅からぬ関係(笑)。そんな先生が「この10年余の自分のやってきたことを整理したような一篇」とFacebookに書いておられたので、読まなきゃなぁと思っていたものを、今日ようやく読むことにして、そして心をぐっと掴まれた次第。


広告コミュニケーション研究ハンドブック (有斐閣ブックス)

広告コミュニケーション研究ハンドブック (有斐閣ブックス)

↑ 刊行後まもなく1年が経ちますが、いまだにいろいろな方からお褒めをいただきます。 ↑


先生がおっしゃる通り、「広告はよいもの」というのが、多くの広告実務家の、そして広告研究者の、暗黙の前提であるように思う。それを「紺屋の白袴」であると喝破するいつものスタイルは爽快感すら感じる。記述的な表現にとどまらない、理論志向の文章の運びにもいつも感銘を受ける。そしてなにより感じたのは、「コミュニケーションで社会に価値を打ち立てる広告は万に一つすらない」*3というのは、まさに自身が感じる感覚であり、これを鮮やかに言語化して見せてくださったということ。非実務家出身で、水野先生より20も若い僕こそがこのことを言語化せねばならないのにとの悔しさもありつつも、そうだよなぁとただただ首肯するばかり。


で、そこから考えたこと。


それは、広告研究は、この発想をベースにおきながら進めないと、研究の発展という意味でも実務への貢献という意味でも、意味がないよなぁ、ということ。たとえば広告効果の議論にしても、世の中に掃いて捨てるほどある「無価値な広告」*4が「無価値」であることには目もくれず、万が一程度の確率でしか表れない素晴らしい広告を例に挙げて考察するものや、「無価値」であることを捨象した学生サンプルでの実験に基づくものが多い*5。ないしは、社会の役に立つのか立たないのかなんて気にも留めず*6、効果さえ計れればいいというものも散見される。それで本当にいいの?ということ。


実は、上に掲載した『広告コミュニケーション研究ハンドブック』を作るというプロジェクトに参加するにあたっての、僕の個人的な動機がまさにこういう点だった。もう第一線から退かれた、僕も大変にお世話になった学界の重鎮の某先生が、「すべての広告研究は広告効果研究である」というような趣旨のことを論文に書いておられるのを読んで、「はぁ?」と思ったのが院生時代のことか。この発想だと僕の研究テーマである「広告会社の戦略や組織」に関する研究*7は広告研究ではなくなるという、言うなれば「自己保身」の考えから思ったということもあるが*8、そもそもどんな広告の広告効果でもいいのかということに答えようとしていないではないか、という思いが確かにそこにはあった。


うちの師匠*9は、よく、「目の前のテーマのことだけではなく、社会全体を視野に入れていることが行間から滲み出るような論文を書きなさい」と言っていた。僕は今回の在外研究で「コミュニケーション専門職の人材育成」というテーマに(主に)取り組んでいるけれども、これも、コミュニケーション専門職の人材育成が「正しい」方法でなされれば、社会におけるコミュニケーション活動は「よりよくなる」であろうし、そのことは社会が「よりよくなる」ことに繋がるであろう、というのが、無邪気ではあるが、前提となっている*10。今回の水野先生の問題提起は、まさに、うちの師匠の言うところの「社会全体を視野に入れた研究ができているのか」という問いに繋がるものであると思う。もちろん、水野先生ほど直接的に問わなくてもいいかもしれないけれども、行間からそのことが滲み出るかどうかは、この研究分野が今後どうなるかという観点から、とても大事なことではないかと思う*11


そもそもうちの師匠は、「経営学はお金儲けのための学問だとよく言われるけれども、そうではない。人が如何にすれば幸せに生きられるかを考える学問なのだ」と言っていて、僕もこの考え方に全面的に賛同している。経営学は、と言ってはいるけれども、少なくとも隣接領域のいろいろな学問は、この発想がないとダメだという思いもある。だからこそキャリア教育にも熱を入れているし、スポーツの社会的価値についての研究もしているし、ゼミにも(おそらくは)人並みを遙かに超えた愛情を注いでいる*12。ゼミ生を就活に送り出すときや卒業式後の謝恩会なんかでよく言うのは、「自分と、会社と、そして社会が幸せになるような、そんな仕事をしてください」ということ。僕はこの仕事を通じて、社会が少しでもよくなればいい、人が少しでも幸せに生きられればいい、そういう状態を作り出したいと思っているんだということに、今回の論稿があらためて気づかせてくれたと思っている。


在外研究に出ていなくてもこの論稿は必ず目にしただろうとは思う。でも、比較的時間に余裕がある在外研究先で読んだからこそ、いろいろなことを派生させて(「横展開」して?)考えることができたし、そもそもの研究の原点を思い出すことができたし*13、なによりそのことをこうやって言語化して表現することができた。この、5時間ほどの経験だけでも、在外研究1ヶ月分くらいの価値はあるんじゃないかなと、わりと本気で思う。


がんばって研究せねばです。

今日はこんな日。
  • Yさん博論提出締め切り日
  • 授業見学向けリスト作成
  • 4ヶ所ぐるぐる(Fashion Valley、Target、Trader Joe's、Ralph)
  • サンダル入手、妻はヨガマット入手
  • 電池の値段の高さにびっくり(そして、当たり前のように、少数では売っていない)
  • 11/5のハワイ大学戦も参戦決定、こちらは妻も同行
  • ケーブルテレビで音楽を聴く(仕事をしている間のBGM/70sが楽しくて仕方がない)
今日のごはん。
  • 昼:家=おにぎり
  • 夜:家=ティラピアのトマト煮込み

*1:エッセイというには重すぎるし、かといって論文ではない。

*2:現・運営委員長は僕が務めているが(この10月から)、就任と同時に在外研究に出たため、現在はYさんに代行をお願いしている。

*3:本文ママではなく、若干意訳気味。

*4:水野流に言えば「広告未然」のもの。

*5:単位で釣られれば、そりゃあ、それなりのことを書くでしょう。普段そんなことなんてちっとも思ってなかったとしても。

*6:広告主や、広告会社や、メディアの役に立つかどうかは、考えられている場合が多いように思わなくはない。

*7:今は広報も視野に入れて研究しているので、研究対象は広告会社とは限らない。コミュニケーション主体側の話ももちろんあるし。

*8:実は、自己保身、と簡単には言い切れない。それは、広告研究の本質としての学際性を感じてという意味がそこには込められているからであり、『ハンドブック』制作時にはどちらかというとこの学際性の観点を前面に出して執筆者選考と編集にあたった。関西を拠点とする研究者にこだわったのも、他の意味合いもあるけど、この意味合いが大きい。

*9:赤岡功先生。

*10:それが論文の表現にちゃんと反映できているかは、また別の問題。できているといいなぁ。

*11:そして、こういう議論を、妹尾先生も交えて、またしたかった。本当に早すぎるし、急すぎる。

*12:注がれている方はたまったものじゃないかもしれないけど。

*13:いや、別に忘れていたわけではないんやけどね。

スープとじゃがいも。


セルフ・ブランディングという言葉は、好きではないけど、便利なので使っている。要するに、その人がどういう人かを一目でわからせるための特徴づけ。インフォテリアの平野社長の「緑色」みたいな。それが僕の場合は、スープとじゃがいも。なんとも言えないこの不健康な感じ(笑)。


「もっと生活に潤い(というか液体)を。」とやり出したのはいつ頃からだろうか。もはや記憶にないけれども、twitter以降の話であることは確実なので、まだ10年は経っていない。スープ好きは昔からで、親戚がやっているノルマンディのスープをして「析出」だとM山くんと騒いでいたのはだいぶ昔からだし、わかどり小林の大将には「味噌汁の方が身体にはいいんだぞ」と怒られながらも、締めの丼のお相手は必ずスープ*1。スープバーではフォルクスのコーンスープが好きで、一度の食事で5回おかわりに立つことも。まぁ、要するに、スープ大好き。


スープの写真をネットに上げるといっても、なんとなく自分の中でのルールはある。飲んだスープを全部上げているわけではない*2。味噌汁は上げない。定食についてくるスープは、それがついてくることがそのメニューを選ぶ決め手だったのでなければ上げない。などなど。言語化できていない感覚的なものではあるんやけど*3、でも、なんとなくある。


じゃがいもは、これも昔から好きなんだけど、「今日のじゃがいも。」とやり出したのはごく最近。まだ1年くらいしか経ってないんじゃないかな。上げるのも、写真に撮るのも、まだまだ忘れることも多いし。マッシュポテトが好きなので(なので、マッシュポテトが選べるときにはほぼほぼそれを頼むので)、それが出てきたときに上げることが多いかな。


で、せっかくのアメリカ滞在なわけだから、これも英語表現にしないとなと思い、昨日から日本語と英語を併記することにした。したのはいいんだけれども、どういう言葉を定番の惹き文句にするかがなかなか難しい。「今日のじゃがいも」は、ひねらず、 Today's Potato にしたんだけれども、問題は「もっと生活に潤い(というか液体)を。」の方。直訳したっておもしろくもなんともないわけで、どうしたものかと思案していたところ、ふと思いついたのが No Soup, No Life というコピー。往年のタワーレコードのキャッチコピーのまるぱくりだけれども、なかなかどうしてこれが案外しっくりきたので、これでいこうということに決めた。ニュアンスはなんとなく、伝わるかなぁ、と。


幸い、学生の間にもスープとじゃがいもという印象は定着しているし、海外の研究者にも会ったときに「いつもスープの写真を見てるよ!」と言われるまでにはなった*4。英語版をつけることで、特に海外の研究者への認知がどこまで伸びるのか、それはそれで楽しみ。


好きな食べものと言えば、あとは乳製品と海老なんだけど*5、そのあたりの話はまた後日にでも。

今日はこんな日。
  • 自動車のリース契約
  • SDSUに初出勤(?)、無事にSDに到着したことに関する書類仕事
  • スポンサーとのランチ会 with 妻
  • TARGETやらIKEAやらでお買いもの
今日のごはん。
  • 朝:滞在先のホテル=正統派アメリカンな感じのもの
  • 昼:SDSU Faculty Club=スパイシーチキン(Bey-Lingのおごり、ごちそうさま)
  • 夜:Dragon Cusiine=オレンジチキン、なす&厚揚げ、Chow Mein(パンダのまがいもの?)

*1:丼を食べないときにはスープ単体で必ず注文。

*2:余談だが、英語には drink soup と eat soup という2つの表現があるみたい。前者はカップに直接口をつけて飲む。後者はスプーンを使って飲む。

*3:その言語化の訓練のためのブログではないのか、という批判は甘んじて受けたい。

*4:「美味しそうな食べものの写真を見てるよ」ではないところがポイントかと。

*5:グラタン大好き!そして、コスモドリア大好き!

実感のなさ。


別に在外研究に限った話ではないんやけど、僕はどうにも「実感が湧く」という感覚に乏しい気がする。在外研究に出る直前に辞令をもらう儀式(?)があったけど、それもその部屋に入るギリギリ手前まで軽口を叩きまくっていた*1。出発する数日前には、義理の両親と、また実の両親と、それぞれごはんを食べに行ったけど、それとて普段の「家族でのごはん会」以上のなにものでもなかった。いろいろな仲間が壮行会を開いてくれたけど*2、またゼミ生がいろいろな記念品をくれたけれども、嬉しいとは思うし有り難いとは思うけれども、これで1年間会えないのか寂しくなるなぁ哀しいなぁ、という実感は湧かなかった。


もちろん、これから1年間アメリカかぁ、不安だなぁ、どうしようかなぁ、などといった感情もほぼほぼ湧かない。諸々の手続きが面倒だなぁとは思うけど、基本的には淡々としたもの。普段の出張と変わらないという印象かもしれない。


これは、冒頭に書いた通り在外研究に限った話ではなく、「誰かが死んだときでないと更新しない」このブログに何が書かれているかが如実に示しているように、どうもある種の僕の特性であるようにも思われる。学会報告の前に緊張するということもないし、ゼミ生が主催するイベント前日の夜は寝られないということもない。年をとってきたからか少し涙脆くなってしまってきているけれども、人前で涙を見せるのには大きな抵抗がある。なぜこんな、ある意味では「冷徹な」人間になってしまったのか*3


いくつか理由はある気がするけれども、大きくは、自身を(社会)科学者として措定しようとしているからではないかなぁ……と思う。冷静に、論理的でいたいという願望。願望というよりはむしろ(もはや?)強迫観念に近いようなものかもしれない。そこにこそ自身の存在意義を見出したいし、そこにしか自身の存在意義を見出せていないからかもしれない。


僕は(0から1を生み出すという意味での)クリエイタータイプではなく、(1を2や3に増やしたり、aやbに変えたりするという意味での)プロデューサー、あるいはエディタータイプの人間であるという自覚がある。その意味では「新しいなにかを生み出す」ことを求められる研究者としては致命的なのかもしれない。量がいつか質をもたらすのであれば、量で自身の非才をカバーすればいいのだが、あるいは質を高める工夫をすればいいのだが、近年はどうもあさっての方向に走って行ってしまっている気もする*4。ただ、研究者としてそれなりに功成り名遂げたいという強い願望もある。そこを、どうするか。


そういえば、好きな英単語の1つに cool がある。涼しいのももちろん好きだけれども*5、カッコいい、ないしは冷静という意味での cool が、なんともいえず好きなんだよなぁ。


でも cool でいられなかったことに、いい思い出もあったりして。高校2年生の冬、渾身の「銀河鉄道の夜」が先に進めなかったことを受けての冬、終わってからの楽屋。あれ。違ったっけ。でも、あの楽屋の思い出は、一生もの。

今日はこんな日。
  • 新居の契約
  • IKEA
今日のごはん。
  • 昼:Corner Bakery Cafe=サラダとスープ
  • 夜:Lazy Dog=牛肉の煮込みと大量のマッシュポテト

*1:さすがに辞令をもらう瞬間は神妙な感じを演出していたけど。部屋に入る前の軽口が中のお偉方にも筒抜けだっただろうことに気づいたのは辞令をもらってから。

*2:予定が合わずに泣く泣く断ったものも。案外愛されてるんだなぁ、という実感は湧いた(笑)。

*3:その一方で「アツい」と称されることも多々あり、一体どういうことなのか、本人も理解に苦しむときが(苦笑)。

*4:学内行政なんて、それの最たるもの

*5:僕に会ったことがある方なら、暑いのが苦手なのはみなさんわかっていただけるはず(苦笑)。

ブログでも書こうかと思ったのよ。


今日から約1年間の在外研究*1アメリカ・サンディエゴを拠点に、「コミュニケーション専門職の人材育成制度」をテーマに、大学教育や資格制度なんかを調べる予定。受け入れ先はSan Diego State University*2で、スポンサーはSchool of Journalism and Media StudiesのDr. Bey-Ling Sha先生。研究の中心はもちろん人材育成制度なんだけれども、せっかくのアメリカでの研究なので、この在外研究の成果を含めこれまでの研究をまとめたり*3、読みたかった本をじっくり読んだり、他に取り組んでいる分野の研究についても少し進めたり*4、するつもり。「研究をがっつり楽しむ」というスタンスで臨みたいなぁと。


私生活も「せっかくなら楽しまないと」とは思っていて、出張で行くであろうニューヨークやシカゴをはじめ、ロサンゼルスやサンフランシスコといったカリフォルニアの街もぶらぶらするつもり。もちろん、サンディエゴの街も端から端まで堪能したい。普段の出張と違って、サンディエゴには車もあるし、運転にも慣れるだろうからレンタカーも借りやすくなるし*5


また、今回のアメリカ滞在を機にしっかりとやってみたいと思うことが3つ。1つめはジム通い。アメリカ滞在中に入居するアパートメントにはジムが併設されているので、できるだけそこに通いたいなぁ、と。2つめはアイロン掛け。今まではクリーニングに出すか、妻にやってもらうか、していたのだけれども、クリーニングは高いし、妻の仕上げに納得いかなくともやってもらっているわけだから文句は言えないし、なので自分でやってみようかと。


で、3つめが、ブログを書くこと。研究や教育についてのマジメなことというよりは、その時その時で感じたり考えたりしたことを、それこそ「そこはかとなく」書こうかと。というのも、昔はそれほどひどかった気はしないんやけれども、最近どうにもアウトプット能力というか、言語化能力が落ちてきているような気がしていて。仕事が忙しくてインプットやアウトプットに十分な時間がかけられなかった、というのは、言い訳に過ぎないけれどもある面での真実だし、昔は飲みに行ってあれこれ話しまくることでなんとかキープしていたものが、最近は飲みに出る機会も減ってなかなかそういうわけにもいかないし。なので、内容の濃い薄いに関係なく、感じたことや考えたことを吐き出す場所を作るのがいいかなぁ、と。僕から言語化能力をなくすと、本当にヤバいという気がするから。


もちろん、毎日は書けないだろうけど、「サンディエゴ日記」代わりの「今日はこんな日。」のコーナーを作ることで毎日書くきっかけはできるし、仮に忙しかったりで書けなくてもあとから書くこともできるし*6。アウトプットを考えるなら語調も整えないとだけど、まずはあまり考えずに気楽にはじめるのでいいかなぁ、と。


さて、三日坊主に終わるか、長続きするか。長続きしたら書籍化でもするかな(笑)。

今日はこんな日。

  • 出国
  • 入国

今日のごはん。

  • 昼:伊丹空港=天ざる
  • 夜:機内食=イタリアンハンバーグ
  • 昼:機内食=寝ていてパス
  • 夜:滞在先のホテル=カルネアサダ

*1:快く送り出してくださったみなさんには、本当に、感謝感謝です。

*2:SDSUと略すことが多い。スポーツチームの愛称はAztecs。Go Aztecs!

*3:学位も取らないといけないし、ねぇ。

*4:スポーツ関係は少しはなにかやりたいなぁ。

*5:心理的なハードルが下がるだろう、ということ。

*6:これも実際には10/6の深夜というか、日付が変わって10/7に書いている。

自信はない。常にない。


一昨日、東京からの帰りの新幹線、ゼミOGからの電話。普段であればこんなタイミングでかけてくるゼミ生ではない。さすがに新幹線車内では電波が途切れ途切れになるので、京都に着いてから再度電話することに。自宅前で*1小一時間。あれやこれや話すことで、少しは落ち着いてくれたような気がする。


ひるがえって、今日。仕事の上でも、プライベートでも、なかなかうまくいかないことあり。「もういい年なんだから、これくらいは自分で処理しないと」という言葉で自身を奮い立たせて、あれやこれやと対応する。ゼミ生に言うくらいやねんから、自分でも、ねぇ、とか思いつつ。


でも、ぐったり。イヤな汗はかくし、若干脈拍も早い気がするし*2


いつになったら自信持てるかねぇ。

*1:家の中だと家人が寝ているからねぇ。

*2:血圧にはあえて触れない。