30代最後の日。


……だからといって特別なことは何もないんやけれども(苦笑)。


30代、振り返ってみて、どうやったかなぁ、と。教員生活がそれなりに軌道に乗ってきて、京都に戻って、共編著もいくらか出して、歌って、結婚して、アメリカで1年住んで、という感じかしら。分担執筆を超えた共著・共編著は4冊、それも全部違う分野で出すことができて*1、それはそれでがんばったという感じがする。ゼミ活動も、関係者に迷惑をかけまくりながら*2、学生にも迷惑をかけまくりながら(あかんやん)、とはいえなんとか「伊吹ゼミとはこういう活動をするところ」というものが形となってきた気がする。なにより若い人達がわぁきゃぁ言いながらがんばっている姿を見るのは楽しい*3。直近では学会の常任理事を2つ引き受け、行政や業界団体の委員もお引き受けし、学内でも統括やらリーダーやらという地位にもいくつか就かせていただいた。2009年4月に京都に戻ってきたんやけれども、有り難いことにその後も長岡のみなさんとは仲良くさせていただいている。京都に戻ってからは、京都の経済団体でも活動し、それがきっかけとなって妻と知り合い結婚に至った。結婚式直前に松葉杖姿となったのも今となってはいい思い出。長年の夢というほどの大袈裟なものではないけれども、ステージ上で歌うという経験が何度もできたのも嬉しかった。アロママッサージに出会ったのもここ数年のこと。そして直近はなんといってもアメリカ暮らし。何か特別なことがあったというわけでもなく、向こうで日常生活を送っていただけやけれども、人生の中でそうある経験ではないのは確か。


ただ、「これを成し遂げた!」という感覚は、あまりない。研究面で大きな実績を残したとは言い難いからではないかな、と思う。論文はそれなりに書いているし、研究していないわけではないんやけれども、査読付き論文の本数は相変わらず低空飛行やし、もっと言うと学会賞をもらうような業績とかは出せていない。それが端的に結果となって表れているのは、まだ昇進できていないということと*4、なによりまだ学位が取れていないということ。学位は、本当に、早々に、とってしまわないといけない。そのためにも、学位に値する研究をしっかりと積み重ねないといけない。


アメリカで1年間暮らした中で、研究テーマがそうであったということもあり、向こうの教員がどれだけ「追われている」か、生産性が高いか、研究も教育もがんばろうと思っているか、そしてその中で自分の生活というものを(趣味をはじめとする私生活も含めて)成り立たせようとしているか、散々見せつけられたということもあるのかもしれない。あれに負けているようでは、この国はどうにも立ち行かんと感じる。根性論ではなく、どうすれば全体最適を達成しつつ個々でも幸せを感じることができるようになるか、そしてそれをどう僕個人に落とし込むか(幸せの受益者として、そして幸せを与える人として)、考えて行動に移す年齢となってきているような気がする。


でも、全体的に見たら、幸せな30代だったんじゃないかな、と感じる。もちろんここに書けないような話もあるし、体調だっていつも万全だったというわけではないけれども。年齢を感じることももちろんある*5。ただ、なんというのかな、大学教員という職業が、僕にとってとても向いているという感じがする。それが、全体的な幸福感をもたらす源泉になっているんじゃないかな、と。学部生時代、某社の最終面接でアタマがまっ白になったことが僕の運命を大きく変えたわけやけれども、それこそが「神のお導き」だったんじゃないかな、と思う*6


40代はどんな感じになるのかしらん。醒めているというか、冷静というか*7、「こういう40代にするぞ!」みたいなのは特になくて、向こうからやってくるものをその時その時で楽しむという生き方しかできなくなってしまっているので、たぶん40代もそんな感じで進んでいくんじゃないかな。でも、幸運の女神と出逢ったときに、その前髪をちゃんと捉まえることができるよう、いろんな意味での準備はしておかないとな、とは常に思う。強いて言えば、それが40代の抱負かな。相変わらずのこんな感じですが、みなさん、これからもどうぞよろしくお願いします。





↓ こうやって並べて見ると、それなりにがんばった、かな。 ↓

スポーツの経済と政策

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広報・PR論--パブリック・リレーションズの理論と実際 (有斐閣ブックス)

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広告コミュニケーション研究ハンドブック (有斐閣ブックス)

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課題解決型授業への挑戦

課題解決型授業への挑戦

*1:スポーツ,広報,広告,キャリア教育。まぁ見事にバラバラ。

*2:特に課題提供をお願いしているみなさま、本当にありがとうございます。

*3:学生と一緒になって楽しむ、とはさすがに最近は言えなくなってきた気がする。年齢が離れたということもあるし、職業的責任をようやく自覚したということもあるのかもしれない。めっちゃ寂しくもあるんやけどね。

*4:「昇進したい」という出世欲というよりは、「成果の1つとしての昇進がまだ手元にない」という感じ、

*5:特に、飲酒量の減り具合だとか、脂っこいものと胃もたれの関係だとかは、覿面。

*6:特定の宗教に深く帰依しているわけではない、典型的な日本人やけれども、こういう表現が一番しっくりくる。

*7:まぁ、いつものことです。こないだも久々に思い出したんやけれども、結婚式当日にコーディネーターさんに半ば呆れられながら怒られるって、そんな人そうはいないと思う(苦笑)。