韓国4日目。


今日でADSTARSも閉幕。グランプリはどこが獲るのか、楽しみ♪

申先生のセミナー。


申先生による韓国の戦後広告史についてのセミナー。歴史の話というのはおもしろいのだけれども、学生ウケはあまりしないんだよな。それと提出日明けの朝イチだということが重なってか、ちらほら船をこぐ学生も。話自体はとてもおもしろかったし、はっと気づかされたこともいくつかあった。



↑ 今から喋りまっせ!(注:本人の日本語は関西弁ではないし、セミナーは英語だった) ↑



↑ 東亜日報1948年1月11日(!)付の1面。解説は「グラフィック広告の少なさ」。 ↑



↑ 韓国広告史上初となるジングルのついたTVCM(JINRO)。 ↑



↑ まじめな顔つきで聴衆に語りかける申先生。 ↑



↑ これは「広告表現の規制緩和がなされたからこそ出てきた広告」とのこと。1994年。 ↑



↑ サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ。(注:申先生は淀川長治ではない) ↑

午前のセミナー。


ジャッジによるセミナーを2つ聴講。1つめは学生向けだったがおもしろかった。2つめは母親をダシにしての講演だが、こちらも唸らされることしきり。



↑ 今回のChair of JuryであるKash Sreeによる講演。 ↑



↑ このスライドは最高だった(笑)。 ↑



↑ W+KのRob Campbellによる講演。 ↑

今日のランチ。


バーガーにも飽きたし、散歩もしたかったので、近くの新世界百貨店へ。ここの店はなんでも世界最大の百貨店らしい。で、そこのフードコートで、なぜか「かつ丼」を頼む。



↑ こんなん出ましたけど〜。 ↑


よくよく見るといろいろなところが韓国アレンジされている。

  • キムチが付け合わせについてくる。
  • 野菜はどんぶりとは別に、リンゴのすりおろしとともに。
  • ソースも別のお皿に。

美味しくないわけではなかったので、まぁ、よし。

午後のセミナー。


ホテルに戻って休憩(というか昼寝)をしてから会場に戻り、元・電通の鏡氏のセミナーを聴く。最初は「つまらんことを」と思いながら聴いていたが、最後にはしっかり引き込まれてしまった。



↑ 鏡さんは日本を代表するクリエイターの1人。 ↑

表彰式(その2)。


昨日に引き続いて表彰式。今日はYOUNG STARSの表彰もあるし、全体のグランプリの発表もあるしで、結構大がかり。まずは伝統的な太鼓の演奏でスタート。以下、いくつか。

cheil worldwideが強かった。


地元贔屓という見方もあるかもだが、カンヌでも賞を取りまくっているし、企業規模もしっかり大きくなってきている。今回の作品もよいものが揃っていた*1。ここはしっかりチェックしておくべきエージェンシーだと思う。



↑ 世界ランキング16位らしい。 ↑



↑ あとから本人に「良いボスの秘訣を見たよ」と声をかけたら笑っていた(笑)。 ↑

YOUNG STARS。


今年はこれまでの公共広告からうって変わって、サムスン電子の企業広告を作れというテーマ。金賞は韓国のチームだったが、ロシアのチームも健闘していたよう。残念ながら日本からの入賞はなし。実際に学生の作品もいくつか見たが、確かに、かなりのレベルの差を感じた。今やっている研究に引っぱられているのは承知の上で、広告関連の学部があるかどうか、高等職業教育として広告クリエイター職の教育がなされているかどうか、ひいては広告クリエイターがどのような立場の人間である(=プロとして見なされている)かどうか、このあたりの根本的な差のようにどうしても感じてしまう。日本の広告界はきっちり対処せねばなるまい。



↑ YOUNG STARSのジャッジのボス、Kevin Leeの講評。 ↑



↑ 全員集合写真。僕もこっそり写り込んでいます。 ↑



↑ YOUNG STARSとは関係ないけれども、F氏の勇姿も。 ↑

グランプリ。


公共広告部門はフィリピンの電灯支援。これは本当にいいアイデアで、グランプリをとるに値するものだと感じた。商品・サービス部門は、なんと、google初音ミク博報堂のみなさん、おめでとう!


パーティー


昨年までの教訓?を活かしたのか、今年は立食形式で、ジャズの生演奏付というシンプルなものに。そして案の定誰も演奏なんか聴いてやしない(笑)。



↑ 日本人関係者。左からO氏、T氏、S先生、U先生、K先生。 ↑



↑ YOUNG STARSのジャッジを務めたT氏にうちの女学生が講評を聴くの図。 ↑

総評。


うーん、なんか少しパワーが落ちた?、というのが正直な感想。応募点数は1万点を超え(これはとてもすごいことなのだ)、成長はしているのだけれども、作品の質が例年に比べて物足りなかったり、パーティーの質が落ちたり。まぁ、主催者側としてはどうしようもないといえばどうしようもないのかもしれない。また、これまでからの課題である「国際」の部分は、若干の改善は見られるものの、まだまだ。意識はあるというのは感じるだけに、これからに期待したい。


YOUNG STARSのジャッジをされた上記T氏がfacebookで「ADSTARSは他の広告祭のようなサロン的な、内輪的なものというより、学生をはじめとする若手を育てる場にするんだという姿勢を感じた。今後も協力していきたい」というようなことを書かれていたが、まさにその通りだと思うし、僕も今後とも(主に学生派遣という形で)協力したい。それと同時に、公共広告部門にもっと存在感を与えてあげて欲しいと思う。これもまたADSTARSの大きな特徴なのだから。

*1:逆にINNOCEAN WORLDWIDEはほとんど目立たなかった。