昨日の午後。

……は、神戸で報告資料の初稿を作り終え、大阪へ。
大阪大学中之島センターにて、日本広告学会関西部会に参加。


まぁ、これが面白かったこと!


まず、部会そのもの。
1人目の報告は遅刻して聞き逃した(これもすごくよかったらしい)。


2人目は超有名コピーライターのOさんの報告。
Oさんなりのクリエイティブ流儀をご説明された上で、
今後に向けて、「書き手から観た語彙の選択」を通じ、
日本語の番人役を務めていきたい、という宣言をもってまとめられた。
報告の中で「素人が情報発信できるようになったこと(特にブログの発達)」が、
如何に「誤った日本語」の拡散に繋がっているかを指摘しておられたが、
これは、市民が使う日本語の乱れにとどまらず、
プロのクリエイターであっても日本語を誤用していくであろうことを、
暗に示唆しているように感じる。
特に、僕が以前から指摘しているように、
グローバル化やIT化の流れの中で「よい」広告を「大量に」作る必要が出てくると、
それに応じて大量のクリエイターが必要になってくるはずである。
そうなると、この問題は一気に現実のものとなる、
しかも大問題となる可能性がある。
Oさんにこの話をすると大いに頷いてくださった。
やはり、なにかしら「製品開発論」や「生産管理論」的視点を、
広告クリエイティブ・マネジメントとして導入する必要がありそうである。


3人目は某メーカーのYさんの報告。
大先輩に対して失礼な物言いとなるやもしれないが、
Yさんは朴訥とした、それでいて緻密で熱い方であり、
今回は広告活動におけるリスク管理について、
自社のケースを基にご説明くださった。
近年、リスク管理について、
コーポレート・ガバナンスや内部統制ということがよく言われるが、
その基本はルール作りと監査と教育である。
ただ、この3つを全てきっちりこなしているにも関わらず、
不祥事が発生してしまう……ということが多いようにも感じる。
Yさんの会社は、ある不祥事を起こしたのだが
(不祥事、という表現が正しいか否かについては議論の余地あり)、
その後の対応が大変素晴らしかったように思う。
なぜ他の会社は下手をうつのにこの会社はうまくいくのか、
この点については、懇親会でも大いに議論になり、
懇親会場がさながら院ゼミのような状況であった。
……これがあるから広告学会の関西部会はやめられない(笑)。



そして懇親会。
1次会も上記議論をはじめいろいろな話題で盛り上がったが、
圧巻は2次会で行った「カモメ」というバー(福島駅前)。
部会長であるK大のM先生、1人目の報告者であるA社のKさん、
僕の母校K大に昨年赴任されたお茶の間でもおなじみO先生、
そして僕という4人で行ったわけだが……、
教育論から大学経営論からジャーナリズム論からメディア経営論から、
もちろん広告論やマーケティング論まで、幅の広い議論で非常に盛り上がった。
M先生には「この経験が後に活きるから、がんばれ!」と、
今の僕の長岡での状況をお聴きくださった上で、エールまでいただいた。
久しぶりに、本当に久しぶりに、知的興奮に満ち溢れた飲み会をやった気がする。